日焼け止めの塗り方、間違っていませんか?──正しい塗り方を徹底解説!
「朝しっかり日焼け止めを塗っているのに、夕方になると肌が赤い…」
「SPF50なのに、なんだか焼けてる気がする…」
そんな経験、ありませんか?
その原因、多くの場合は「塗り方」や「塗り直し」の仕方にあるかもしれません。
夏の紫外線は肌にとって強敵。せっかくSPFやPA値の高いアイテムを選んでも、正しい使い方をしなければ本来の効果は発揮されません。この記事では、「日焼け止めの塗り方」にまつわるよくある間違いと、肌を本気で守るための正しい使用法を、皮膚科学や美容のプロの視点から詳しく解説します。
1. なぜ「塗る量」が大事なの?
日焼け止めの効果は、一定の厚みで肌に均一に塗られていることが前提です。しかし、実際に使われる量は、推奨量の「約3分の1〜半分」と言われています。
▶ 正しい使用量の目安
顔全体:パール2粒分(約0.8g)
顔+首:1円玉2枚分程度(約1.2g)
ボディ:片腕で500円玉1枚分(約1.5〜2g)

「重くなるのがイヤ」「ベタつきたくない」と思ってつい薄く塗ってしまうと、SPF値もPA値も理論値の半分以下まで低下してしまいます。
▶ POINT
ベースメイクの前に、一度に全量塗るのではなく、「2回に分けて重ね塗り」するとムラなく仕上がります。とくに鼻・頬・額などの高い部分は念入りに!
2. 塗るタイミングは「出かける15~30分前」が基本

日焼け止めは肌にしっかり密着することで効果を発揮します。そのため、外出する15〜30分前に塗っておくのがベスト。急いで出かけながら塗った日焼け止めは、汗や皮脂と混ざって密着が甘くなりがちです。
▶ メイクする日は「下地前」 or 「化粧下地と兼用タイプ」もOK
最近は「トーンアップUV」や「下地兼用UV」も多いため、アイテムの特徴に応じてベースメイクに組み込むのもおすすめです。
3. 日焼け止めは「塗り直し」が超重要!
どれだけ高機能な日焼け止めでも、2〜3時間ごとに塗り直さないと効果は持続しません。特に、汗や皮脂の分泌が多い夏場は、UV膜がすぐに崩れてしまいます。
▶ 塗り直しのコツ(メイクの上から)
・スポンジで軽く皮脂をオフ
・日焼け止めミストやスプレーで重ね塗り
・UVパウダーで仕上げる
顔に直接クリームを塗り直すのが難しい場合は、UVカットミスト+パウダーの組み合わせが便利です。スティック型やパウダー型の日焼け止めも持ち運びに◎。
▶ 塗り直しを怠りがちな部位
・耳・首・デコルテ
・手の甲・足の甲
・頬骨の高い部分(汗で流れやすい)
「朝だけ」では、正直不十分。持ち運びやすいアイテムを常備し、習慣づけることが焼けない秘訣です。
4. より焼けにくくするための「組み合わせケア」
① UVカット効果のあるベースメイク
ファンデーションやBBクリームにもUVカット効果のあるものを選ぶと、「日焼け止め+ベースメイク」の重ねがけでガード力アップ。マスクの摩擦などで落ちやすい頬まわりの保護にも。
② 抗酸化美容液やスキンケア
紫外線は、活性酸素を生み出し肌の酸化(老化)を促します。ビタミンC・フラーレン・ナイアシンアミドなどの抗酸化成分を含むスキンケアを朝使っておくと、紫外線によるダメージを最小限に抑えられます。
③ 飲む日焼け止め(インナーケア)
近年注目されているのが、飲むタイプのUVケアサプリメント。完全な代用にはなりませんが、外出前に摂取しておくことで体の内側から紫外線ダメージを軽減するサポートになります。
5. SPF・PA値の選び方、ちゃんと合ってますか?

日焼け止めを選ぶ際、まず注目されるのが「SPF」と「PA」の表示。
SPF…
紫外線B波(UV-B)による炎症を防ぐ
数字が大きいほど防御時間が長くなります。
PA…
紫外線A波(UV-A)によるシワやたるみといった光老化への対策
「+」の数が多いほど効果が高くなります。
特に最近は、UV-A(生活紫外線)による真皮ダメージへの意識が高まっており、単に「焼けない」だけでなく、老化予防のためにもPAの高さが重要視されるようになっています。
▶ PAとSPFの表示の意味
SPF(Sun Protection Factor)
└UV-B波を防ぐ効果(最大SPF50+)
PA(Protection Grade of UVA)
└UV-A波を防ぐ効果(+〜++++の4段階)
▶ 生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方

日常の外出
└軽い紫外線対策。肌負担も少なめで◎
屋外レジャー(公園・ピクニックなど)
└UV-BだけでなくUV-Aもカットしたい場面
海・山・長時間の屋外活動
└強い紫外線から長時間肌を守る必要あり
毎日使うものだからこそ、「強い=万能」ではなく、シーンに合わせて選ぶことが肌への優しさにもつながります。
6. 「塗っているのに焼ける人」のチェックポイント
日焼け止めを塗っているのに焼ける…という人は一旦、このチェックポイントを見直した方が良いかもしれません。
- 使用量が少ない
- 塗り直しをしていない
- 落ちやすい部位への意識が低い
- UVカット率の低い衣類や日傘しか使っていない
- 紫外線吸収剤が合わず、効果が出にくい場合も
まずは基本の“正しい使い方”を丁寧に行うことが、焼けない肌作りの第一歩です。
まとめ
「日焼け止めさえ塗っていれば大丈夫」という考えは、実は非常に危険です。
どれだけ高性能なアイテムも、“適切な量”“タイミング”“塗り直し”“組み合わせ”の4つが揃ってはじめて、本来のUVカット効果が発揮されます。
今年の夏は、ただ塗るだけではなく「使い方」まで見直して、本気で肌を守る日焼け止め習慣を始めてみませんか?

